里親が行う養育に関する最低基準

最終改正:平成一八年三月三一日厚生労働省令第八九号


 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第四十五条第一項の規定に基づき、里親が行う養育に関する最低基準を次のように定める。

(この省令の趣旨)

第一条
児童福祉法(以下「法」という。)第二十七条第一項第三号の規定により里親に委託された児童(以下「委託児童」という。)について里親が行う養育に関する最低基準(以下「最低基準」という。)は、この省令の定めるところによる。

(最低基準の向上) 
第二条
都道府県知事は、その管理に属する法第八条第二項に規定する都道府県児童福祉審議会(社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第十二条第一項の規定により同法第七条第一項に規定する地方社会福祉審議会(以下この項において「地方社会福祉審議会」という。)に児童福祉に関する事項を調査審議させる都道府県にあっては、地方社会福祉審議会)の意見を聴いて、その監督に属する里親に対し、最低基準を超えて当該里親が行う養育の内容を向上させるよう、指導又は助言をすることができる。 
地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)にあっては、前項中「都道府県知事」とあるのは「指定都市の市長」と、「都道府県」とあるのは「指定都市」と読み替えるものとする。

法第五十九条の四第一項の児童相談所設置市(以下「児童相談所設置市」という。)にあっては、第一項中「都道府県知事」とあるのは「児童相談所設置市の市長」と、「法第八条第二項に規定する都道府県児童福祉審議会(社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第十二条第一項の規定により同法第七条第一項に規定する地方社会福祉審議会(以下この項において「地方社会福祉審議会」という。)に児童福祉に関する事務を調査審議させる都道府県にあっては、地方社会福祉審議会)」とあるのは「法第八条第三項に規定する児童福祉に関する審議会その他の合議制の機関」と読み替えるものとする。

厚生労働大臣は、最低基準を常に向上させるように努めるものとする。

 

(最低基準と里親) 
第三条
里親は、最低基準を超えて、常に、その行う養育の内容を向上させるように努めなければならない。

(養育の一般原則)
第四条
里親が行う養育は、委託児童の自主性を尊重し、基本的な生活習慣を確立するとともに、豊かな人間性及び社会性を養い、委託児童の自立を支援することを目的として行われなければならない。

里親は、前項の養育を効果的に行うため、都道府県(指定都市及び児童相談所設置市を含む。)が行う研修を受け、その資質の向上を図るように努めなければならない。

 

(児童を平等に養育する原則)
第五条
里親は、委託児童に対し、自らの子若しくは他の児童と比して、又は委託児童の国籍、信条若しくは社会的身分によって、差別的な養育をしてはならない。

(虐待等の禁止)
第六条
里親は、委託児童に対し、児童虐待の防止等に関する法律(平成十二年法律第八十二号)第二条に規定する児童虐待その他当該委託児童の心身に有害な影響を与える行為をしてはならない。

(懲戒に係る権限の濫用禁止)
第六条の二
里親は、委託児童に対し法第四十七条第二項の規定により懲戒に関しその児童の福祉のために必要な措置を採るときは、身体的苦痛を与え、人格を辱める等その権限を濫用してはならない。

(教育)
第七条
里親は、委託児童に対し、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)の規定に基づく義務教育のほか、必要な教育を受けさせるよう努めなければならない。


(健康管理等)

第八条
里親は、常に委託児童の健康の状況に注意し、必要に応じて健康保持のための適切な措置を採らなければならない。
委託児童への食事の提供は、当該委託児童について、その栄養の改善及び健康の増進を図るとともに、その日常生活における食事についての正しい理解と望ましい習慣を養うことを目的として行わなければならない。

(衛生管理)
第九条
里親は、委託児童の使用する食器その他の設備又は飲用する水について、衛生的な管理に努め、又は衛生上必要な措置を講じなければならない。


(職業指導)
第九条の二
里親が行う職業指導(児童の自立を支援することを目的として、勤労の基礎的な能力及び態度を育てることをいう。以下同じ。)は、勤労の基礎的な能力及び態度を育てることにより、委託児童の自立を支援することを目的として、当該児童の適性、能力等に応じてこれを行わなければならない。

(自立支援計画の遵守)
第十条
里親は、児童相談所長があらかじめ当該里親並びにその養育する委託児童及びその保護者の意見を聴いて当該委託児童ごとに作成する自立支援計画に従って、当該委託児童を養育しなければならない。

(秘密保持)
第十一条
里親は、正当な理由なく、その業務上知り得た委託児童又はその家族の秘密を漏らしてはならない。

(記録の整備)
第十二条
里親は、委託児童の養育の状況に関する記録を整備しておかなければならない。

(苦情等への対応)
第十三条
里親は、その行った養育に関する委託児童からの苦情その他の意思表示に対し、迅速かつ適切に対応しなければならない。

里親は、その行った養育に関し、都道府県知事(指定都市にあっては市長とし、児童相談所設置市にあっては児童相談所設置市の市長とする。以下同じ。)から指導又は助言を受けたときは、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。

(都道府県知事への報告)
第十四条
里親は、都道府県知事からの求めに応じ、次に掲げる事項に関し、定期的に報告を行わなければならない。


委託児童の心身の状況
委託児童に対する養育の状況
その他都道府県知事が必要と認める事項


(関係機関との連携)
第十五条
里親は、委託児童の養育に関し、児童相談所、当該委託児童の就学する学校その他の関係機関と密接に連携しなければならない。

(養育する委託児童の年齢)
第十六条
里親が養育する委託児童は、十八歳未満の者とする。

前項の規定にかかわらず、都道府県知事が委託児童、その保護者及び児童相談所長からの意見を勘案して必要と認めるときは、法第三十一条第二項の規定に基づき当該委託児童が満二十歳に達する日までの間、養育を継続することができる。

 

(養育する委託児童の人数の限度)
第十七条
養育里親(里親の認定等に関する省令(平成十四年厚生労働省令第百十五号。以下「認定等省令」という。)第四条に規定する養育里親をいう。以下同じ。)、短期里親(認定等省令第十六条に規定する短期里親をいう。以下同じ。)又は専門里親(認定等省令第十八条に規定する専門里親をいう。以下同じ。)が同時に養育する委託児童及び当該委託児童以外の児童の人数の合計は、六人を超えることができない。

専門里親が同時に養育する委託児童の人数は、二人を超えることができない。

 
委託児童を養育する期間の限度)
第十八条
短期里親による委託児童の養育は、当該養育を開始した日から起算して一年を超えることができない。ただし、都道府県知事が当該委託児童、その保護者及び児童相談所長からの意見を勘案して必要と認めるときは、当該期間を更新することができる。


専門里親による委託児童の養育は、当該養育を開始した日から起算して二年を超えることができない。ただし、都道府県知事が当該委託児童、その保護者及び児童相談所長からの意見を勘案して必要と認めるときは、当該期間を更新することができる。

 

(再委託の制限)
第十九条
里親は、次に掲げる場合を除き、委託児童を他の者に委託してはならない。


都道府県知事が、里親からの申請に基づき、児童相談所長と協議して、当該里親の心身の状況等にかんがみ、当該里親が養育する委託児童を一時的に他の者に委託することが適当であると認めるとき。
前号に掲げる場合のほか、特にやむを得ない事情があると都道府県知事が認めるとき。

(職業指導に関する制限)
第二十条
里親は、認定等省令第九条(認定等省令第十七条及び第二十条において準用する場合を含む。)の規定による第九条第四号に掲げる事項の登録(里親が親族里親であるときは、認定等省令第十五条において準用する認定等省令第六条第二項の職業指導里親認定)を受け、かつ、都道府県知事が当該児童に対し職業指導を行うことが適当であると認める場合に限り、委託児童(学校教育法の規定に基づく義務教育を終了した者に限る。)に対し職業指導を行うことができる。

都道府県知事は、前項の規定により職業指導を行うことが適当である旨の認定を行うときは、あらかじめ、当該委託児童の同意を得なければならない。


里親による委託児童に対する職業指導は、当該職業指導を開始した日から起算して一年を超えることができない。ただし、都道府県知事が当該委託児童、その保護者及び児童相談所長からの意見を勘案して必要と認めるときは、あらかじめ、当該委託児童の同意を得て、当該期間を更新することができる。

里親は、委託児童の労働力の搾取を目的として職業指導を行ってはならない。


(家庭環境の調整への協力)
第二十一条
専門里親は、児童相談所長が児童家庭支援センター、児童委員、福祉事務所等の関係機関と連携して行う委託児童の家庭環境の調整に協力しなければならない。


附 則
この省令は、平成十四年十月一日から施行する。
   附 則 (平成一六年三月一五日厚生労働省令第二七号)
この省令は、平成十六年四月一日から施行する。
   附 則 (平成一六年一二月二四日厚生労働省令第一七八号)

(施行期日)
この省令は、平成十七年一月一日から施行する。
(様式に関する経過措置)
この省令の施行の際現にあるこの省令による改正前の様式(次項において「旧様式」という。)により使用されている書類は、この省令による改正後の様式によるものとみなす。
この省令の施行の際現にある旧様式による用紙については、当分の間、これを取り繕って使用することができる。


   附 則 (平成一七年二月二五日厚生労働省令第二二号)
この省令は、平成十七年四月一日から施行し、第一条の規定による改正後の児童福祉法施行規則第六条の規定は、同日以後に児童福祉司として任用しようとする者について適用する。
   附 則 (平成一八年三月三一日厚生労働省令第八九号)
この省令は、平成十八年四月一日から施行する。


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